【個人の見解】
- 親子で楽しめる・・・・・・☆☆☆☆
- 暴力・残酷描写がない・・・☆☆☆☆☆
- 性的な描写がない・・・・・☆☆☆☆☆
- 娯楽性・・・・・・・・・・☆☆☆☆
- 満足度・・・・・・・・・・☆☆☆☆☆
- 学習・教訓的要素・・・・・☆☆☆☆☆
- 総合・・・・・・・・・・・☆☆☆☆☆
今日は、『舟を編む』をご紹介いたします。
出版社に於ける辞書部門の業務について、現場で携わる方々の情熱や彼らがおかれている厳しい状況を、かなりありのままに表現しているアニメです。
多少のネタバレはご容赦いただき、お付き合いいただけると幸いです。
dアニメストア『舟を編む』冒頭紹介画像
2022年3月20日現在、dアニメストアで、全11話視聴することができますので、是非一度ご覧いただければ幸いです。
それでは、まず大まかなストーリーをみていきましょう~
出版社の営業部に勤務する馬締光也は、口下手なのに営業を担当し、日々書店を回っています。
dアニメストア『舟を編む』第1話紹介画像
そんなある日、辞書編集部に勤務する西岡正志は、偶然、街中でさえない営業をしている馬締光也と出会います。
dアニメストア『舟を編む』第2話紹介画像
玄武書房のベテラン編集者・荒木の目に、ふとしたきっかけで、馬締が止まらります。
西岡が先輩として、営業のやり方について馬締に注意したときの「受け答え」で。荒木は、馬蹄の辞書編集の才能を見抜いたのかもしれません。
荒木は、定年を間近に控え、後継者を躍起になって探しにしていました。そんな中での不思議なめぐり逢だったと思います。
辞書編集部へ異動になった馬締は、荒木や顧問の松本先生の辞書作りへの想いを知り、自信はないものの、下宿先の大家・タケさんにも励まされ、前向きに取り組むようになるのでした。
dアニメストア『舟を編む』第3話紹介画像
そして、満月の夜。下宿先のベランダで、馬締はタケの孫娘・香具矢に出会います。女性には厳しい料理人の世界で、頑張る彼女にひかれていくのでした。
dアニメストア『舟を編む』第7話紹介画像
物語は、馬蹄が取り組む辞書『大渡海』の発行について、紆余曲折もあり、息を飲む展開もありながら、テンポよく進んでいきます。
dアニメストア『舟を編む』第11話紹介画像
おもしろく、あっという間に最終回まで行きます。
最終回の静かな終わり方がとても好きな作品です。
辞書を皆さんはどのくらい使ってこられましたか?
私は結構辞書が好きで、学生時代は英和辞典や国語辞典は何冊も買って使っていた記憶があります。
特に英和辞典は、旺文社英和辞書をながらく愛用していたと思います。使いつぶして2~3冊同じ辞書を買いました。
辞書を何時間も見入って、知らない単語やその用例を蛍光ペンで色付けして、少しでも多くの単語を覚えようとノートに書き写したりして、頑張っていた時期がありました。
国語辞典も、好きで知らない言葉や用例などがあれば、一生懸命覚えようとしたものです。
そのわりにはショボい文章しか書けませんが、言葉への思いは人一倍強いつもりでいます。
学生時代お付き合いして人が、本を読むのがとても好きで、言葉を大事にする人でした。
すでに、車の事故で鬼籍に入られていますが、彼女と交換した言葉のノートは、私の大切な思い出の1つとなっています。
その後、今の奥さんと結婚して、そのノートを奥さんが目にすることになるのが、申し訳ない気がして、穏やかの秋の日に、庭で焼却したことを思い出します。
日本語は、ことばに人の思いが込められている言語だと思います。私は、短歌や俳句で、すきな作品があります。
・さざなみや志賀の都はあれにしを昔ながらの山桜かな(平家物語)
・行き暮れて木の下陰を宿とせば 花やこよひの主ならまし(平家物語)
・ふりむくは泣くこの親か田植笠(牧野貞寧)
和歌や俳句には、言葉の魂が凝縮された響きがあります。源氏との戦に敗れて、先が見えた清盛の義母弟、平忠度が読んだ2首の短歌です。
「さざなみ」は枕詞で意味はないと学校では習いましたが、この言葉にかかる地名は限定されており、言葉の意味はまったくないとは言えないと思います。
また、時の流れの無常さが感じらる名歌だと思います。
次の歌も、最後は討ち死にしたしたときに、鎧にに縫い付けられていた時世の句です。
どんなに都人として風雅を極めたとしても、武士とのしての運命には逆らえなかったのだと思います。
「行き暮れて」と、都から落ち延びていく悲しい心の心情を、儚い芸術の域まで高めた、悲しくも美しい歌だと思います。
平家物語は、今アニメでも放送されていますが、間もなくクライマックスを迎えます。平忠度のことはアニメ自体では触れられないみたいで、少し残念ですが。
最後の、句碑は笠間城址の途中にある、最後の笠間藩主、牧野貞寧の俳句です。
石高8万石といっても、実石高の高くない笠間藩にあって、藩主が田植えを見て読んだ俳句は、領民を思いやる優しい心情が感じられてとても好きな俳句です。
「振り向くは」という言葉が、心に刺さる気がします。
『舟を編む』から、脱線してしていましたが、このアニメを見て、今までのさまざまなことを思い出してしまいました。
日本人の言葉を大切にする思いが伝わってくる名作アニメだと思っています。
是非一度ご覧いただければ幸いです。
dアニメストア『舟を編む』冒頭紹介画像