【個人の見解】
- 親子で楽しめる・・・・・・☆☆☆
- 暴力・残酷描写がない・・・☆☆☆☆
- 性的な描写がない・・・・・☆☆☆☆☆
- 娯楽性・・・・・・・・・・☆☆☆☆
- 満足度・・・・・・・・・・☆☆☆☆☆
- 学習・教訓的要素・・・・・☆☆☆☆☆
- 総合・・・・・・・・・・・☆☆☆☆☆
今日は、『平家物語』をご紹介いたします。我が家もホントかウソがわかりませんが、家系図には『平姓』と家紋の傍に書かれていて、平家に対してはかなりシンパシーを感じていました。
dアニメストア『平家物語』冒頭紹介画像
でも、家系図に載っているご先祖様の名前、『頼』の文字が必ず江戸時代までは入っていて、何で平姓とうたいながら、源氏に多い名前を付けていたのが理解に苦しむところがあります。
まあ、どうでもいい話ですが。
ストーリーは、平家物語そのままで、登場人物を絞り、物語の流れをかなり簡略化しています。
オリジナルなところとしては、平家に父親を殺された少女びわが、平家の主要メンバーと、つかず離れずして、その栄枯盛衰を見届け、語りべになる物語になっているところです。
びわは、平家一門の中では、唯一の良識派と言われる、重盛に拾われます。父を殺した平家への感情もありますが、重盛もびわと同じような能力を持っていたので、ひかれあうものがあったのかもしれません。
dアニメストア『平家物語』第1話紹介画像
彼女は、母親と同じような青い目を持ち、特技として未来を見る力を持っています。
彼女はその能力を父からは他の人にはいわないように言われていましたから、一緒にいるメンバーの未来を見通せたとしても、言わないようにしていました。
dアニメストア『平家物語』第5話紹介画像
おそらく、そのことは正解だったと思います。なぜなら、「未来が見えても変えることはできない」ことを、びわは分かっていたからだと思います。
あたかも、私たちがこのようにアニメやドラマで平家物語を見て平家武将の面々の存命を願っても、また物語のハッピーエンドになる結末を希望しても、ストーリーを変えることができないのと同じように。
dアニメストア『平家物語』第8話紹介画像
また、彼女は会ったことがない、母親に会うことを願い、平氏の一門と別れ、一人で旅にでることもありました。
彼女は、運命にも翻弄されながらも、自分の役割を感じ、悟るようになります。
クライマックスは、檀ノ浦の戦いです。徳子や安徳天皇の入水のシーン、知盛の奮戦、徳子が望まないにも関わらず助かってしまうシーンなど、見どころはたくさんあります。
dアニメストア『平家物語』第11話紹介画像
いまさら、物語の流れが変わって欲しいと願っても変わるべくもない、歴史の事実が悲しくも冷酷に淡々と進んでいく感じです。
このアニメーションの優れていることは、人の死を叙事的に描き、人の死が現代社会より、はるかに身近に存在した平安の時代を、さりげなく巧妙に美しく描いているところだと思います。
必要以上に美化したものではなく、人々の生きざまをフォーカスし、生きた証を丁寧に描くことにより、心に残る平安時代の末期を淡々と伝えているように感じます。
私の好きな平忠度が描かれていないことは残念ですが、徳子を意志の強い、分別と品性のある女性として描いているところがとても好感がもてました。
また、登場人物を増やさず、ストーリーをシンプルにまとめたところは、分かりやすくとても良かったと思います。
誰もが知っている身近な古典を、アニメで取り扱うことは非常に難しかったと思いますが、作画や脚本、声優や音楽、すべてにおいてバランスの取れた、心に残る優れたアニメーションだと思います。
2022年4月2日現在、『平家物語』はdアニメストアで全話視聴することができます。
是非この機会にdアニメストアに加入して、びわと一緒に平家一門の行く末を見届けられてはいかがでしょうか。
dアニメストア『平家物語』第1話紹介画像