【個人の見解】
親子で楽しめる・・・・・・☆☆☆☆☆
暴力・残酷描写がない・・・☆☆☆☆☆
性的・刺激的な描写がない・☆☆☆☆☆
娯楽性・・・・・・・・・・☆☆☆☆☆
満足度・・・・・・・・・・☆☆☆☆☆
学習・教訓的要素・・・・・☆☆☆☆☆
総合・・・・・・・・・・・☆☆☆☆☆
久しぶりに、心からおすすめできる作品に出合いました。
会社や学校で嫌なことがあり、モヤモヤが消えないに時には、是非ともこのアニメを見てスッキリしていただければと思います。

©ほのぼのる500・TOブックス/「最弱テイマー」製作委員会
このアニメの世界では、5歳の時に神様から授かったスキルで職業が決まり、スキルの星の数でできる仕事のレベルが変わってくるという設定になっています。
『持って生まれたスキルと星の数がすべて』という世界、親の財産や社会的な地位を相続して、何もせず生きているこの世界の人と比べれば、仕事はレベルに応じてするのだから、少しはましなのかもしれません。

©ほのぼのる500・TOブックス/「最弱テイマー」製作委員会
でも、星の数が少なかったり、しょぼいスキルだったりするとその時点で、人生はある意味詰んでしまう可能性もある訳です。
この物語のヒロイン、フェミシア(後にアイビー)は普通の家庭で幸せに暮らしていましたが、5歳になったときに神様から授かったスキルはテイマー。

©ほのぼのる500・TOブックス/「最弱テイマー」製作委員会
魔物を従えさせることができる世の中に役に立つと言われているスキルです。でも、星はなし。
1つしか星がないだけでも、かなり努力しないと一人前の仕事ができないような世界で、これは強烈なハンデだと言えるでしょう。
彼女が生まれたラトミ村では、ザロという果物が特産品で、それを出荷することが村の主な収入源になっていました。
ザロは、収穫時期の判断が難しく、タイミングを間違えると収穫に失敗し売り物にならないという果物。
それをきちんと成功に導くことができるのは、村の占い師で、人望もあり人気のある女性(ルーバ)でした。
©ほのぼのる500・TOブックス/「最弱テイマー」製作委員会
それがラトミ村の村長は面白くなく、ルーバが病気になったときに薬を渡さなかったため、彼女は病で亡くなってします。
村は占い師を失ったことにより、ザロの収穫に失敗して、財政難になります。
村長は、フェミシアが星なしで生まれてきたことが、村に禍をもたらすと言いふらし、占い師が亡くなったことは、フェミシアのせいであることにして、アイビーを捕まえて始末しようとするのでした。
彼女の父親も村長に同調して、村総出で彼女を探し、とらえようとします。母親や兄姉たちも彼女には冷たく、星がないことが、異常と思うような感覚が感じとれます。
命からがら村を抜け出したフェミシアは、髪を切り、父親からもらった名も捨て、ツタの様に踏まれてもたくましく生きていくことができるよう、『アイビー』と名前も変え、男の子の姿になって、生前、占い師の女性から言わえた王都へと旅をすることにします。
さて、アイビーですが、スキルの星はなくても、前世の記憶を持っています。アイビーの前世は日本人の女性で、アイビーに要所要所で話かけ、彼女に助言を囁きます。
いわゆる転生ものではありますが、それほどずば抜けた能力のある女性ということではないようで、おそらく分別のある30歳くらいまでの大人の女性といった感じでしょうか。

©ほのぼのる500・TOブックス/「最弱テイマー」製作委員会
でも推理力は結構あり、それを働かせてアイビーを助けてくれます。
ここでもう一度整理しますと、アイビーのスキルは、魔物を手懐ける『テイマー』。ただしランクは、最弱の『星なし』です。
最弱テイマーのアイビーは、不吉な子供として村から追い出され、『捨て場』のゴミを拾ったり、罠を仕掛けて野ネズミなどを取って、肉をさばいて、それを食べたり、肉屋に売ったりしながら、旅を始めます。
そしてこの物語の重要なパートナーであるレアスライムのソラや、最強の魔物アダンダラのシエルと友達になり、旅を続けるのでした。

©ほのぼのる500・TOブックス/「最弱テイマー」製作委員会
男の子の姿をしていても、アイビーはとても可愛らしく、出会った人には大切にされます。
悪人も出てきますが周囲にも助けられ、また幸運にも魔物に襲われたことを役場に知らせて報奨金をもらえたりして、旅の生活もなんとか目途がたってくるのでした。

©ほのぼのる500・TOブックス/「最弱テイマー」製作委員会
前世の記憶は、遭遇した事件の解決に役立つ推理を行ってくれ、友達のレアスライムのソラは傷を治す能力にって、重症で傷ついたアダンダラのシエルや、アイビーを治療してくれます。

©ほのぼのる500・TOブックス/「最弱テイマー」製作委員会
また、ソラは、悪人を見抜く能力があり、この力で、最後に訪問したオトルワ町で長年にわたって悪の組織が行っていた「人さらいの事件」を解決することができたのです。

©ほのぼのる500・TOブックス/「最弱テイマー」製作委員会
もちろん、アイビーの前世の記憶が事件の解決の糸口を示唆(推理)して、町の自警団や冒険者の幹部に情報提供をおこなったことが、事件解決の決め手になったことも重要です。
アイビーとソラの連携によって事件が解決したオトルワ町では、アイビーに沢山の報奨金を渡すとともに、住居などを用意するので、町に住むことを提案します。
しかし、アイビーはソラやシエルと旅をすることを伝えます。
アイビーは、今度の旅は、「星なしとして捕まることから逃げる旅ではなく、新たに自分のやりたいことを見つける旅」を今度はすると誓うのでした。
この物語で一番大切なこと・・・
それはレアスライムのソラは、風が吹けばその衝撃で消えてしまうほど弱く、通常は1日で消えてしますのですが、星なしの力の弱いアイビーがテイムすることによって、生き延びることができたのです。力の弱い者同士の運命の結びつき・助け合いを感じます。

©ほのぼのる500・TOブックス/「最弱テイマー」製作委員会
一人の少女が苦労しながら旅をして多くの人と出会いながら、その人々に支えられ、最後は幸せになる。
このアニメを見て、名作劇場の『ペリーヌ物語』を思い出しました。
ペリーヌ物語は何十年も前の作品ですが、いまだに輝きを失わない名作です。
過酷な状況もアイビーとペリーヌではよく似ていて、アイビーにはソラとシエル、ペリーヌにはロバのパリカールと犬のバロン。
© NIPPON ANIMATION CO.,LTD.
優しい仲間に支えられながら、ほのぼのとした場面も多く、親子でも見てもとっても楽しめる作品だと思います。
この作品を見たあと、ペリーヌ物語を見るのも良いかもしれませんね。
この作品もペリーヌ物語も、dアニメストアで2025年5月24日現在、視聴可能ですので、おススメ方々ご紹介いたします。
それでは、ここまでご覧いただきありがとうございました。
[キャスト]※dアニメストア解説より抜粋
アイビー:鈴木愛奈/ソラ:田村睦心/シエル:麦穂あんな/ルーバ:平野文/オグト:三宅健太/ヴェリヴェラ:鳥海浩輔/セイゼルク:てらそままさき/ラットルア:八代拓/ボロルダ:杉田智和/リックベルト:安元洋貴/ミーラ:井上麻里奈/トルト/マルマ:土岐隼一
[スタッフ]
原作:ほのぼのる500『最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。』(TOブックス刊)/原作イラスト:なま/総監督:山内重保/監督:堀内直樹/シリーズ構成:高山カツヒコ/キャラクターデザイン:胡峰誠、池田結姫/モンスターデザイン:今門卓也/プロップデザイン:W18/色彩設計:吉田あゆ実/美術設定:松宮正純(スタジオロフト)/美術監督:井上俊英/撮影監督:藤島明弘/CG監督:シスターン・ルカ/編集:仙土真希(REAL-T)/音響監督:渡辺淳/音楽:夢見クジラ/音楽制作:Lantis/アニメーション制作:STUDIO MASSKET/オープニング主題歌:「果てのない旅」鈴木愛奈/エンディング主題歌:「because」丁
[製作年]
2024年
©ほのぼのる500・TOブックス/「最弱テイマー」製作委員会

