今日は「ジャイアントロボ」をご紹介いたします。コンセプト・ストーリーはフェニックスエンターテインメントの山木泰人氏が中心になり、横山光輝氏の原作コミックのキャラが総出演する豪華な演出になっています。
横山氏の作品からは、三国志、水滸伝、バビルⅡ世、魔王使いサリーなど思い出深い作品のキャラがそれぞれ重要な役割を振られて登場します。 この作品に感情移入できるかどうかの分かれ道は、この辺のキャラ設定のストリー展開に馴染めるかどうかにかかっています。
なお、この作品はスタートしてから完結するまで、6年近くの時間がかかり作画と音楽へのこだわりが、良くも悪くも作品に大きな影響を与えたと言っても過言ではないようです。
しかし、臨場感のあるキャラクターの動きやワルシャワフィルによるフルオーケストラの演奏は、作品の奥行きを広げスケールの大きな作品に一層力を与えています。
物語は、人類にとって夢のエネルギーシステムである「シズマドライブ」を巡って、ドラマが展開します。世界征服を策謀するBF団はシズマドライブを無効化する装置を入手しようとします。なぜその装置を入手する必要があるのかが、この物語の最大のポイントとなります。
物語のキーパンソンであるフォーグラー博士が息子に託した思い、ジャイアントロボの開発者である風間博士が、息子大作に託した思い。それぞれの息子に託された思いが無残にもすれ違う時、物語は劇的なフィナーレを迎えます。
ロボットものとして製作はされていますが、超人・超能力者ものとしての、作り込みも見事でキャラクターはそれぞれ特異な能力を持っているのも見逃せないポイントだと思います。
なお、作画に関しては、エヴァンゲリオンの庵野監督が、スペシャルゲスト・キーアニメーターとして全エピソードを通して参加されています。山木さんからは、音楽に力を入れ過ぎてしまったこと、庵野監督が作画にこだわった部分などを伺いましたが、ずいぶん時間がたってしまって、作品を見返しても思い出すことができません。
ただ言えることとしては、全エピソードを通して、作画のクオリティは非常に高いと思います。また背景などのクオリティも高いと思います。 この作品は、現在Dアニメで全エピソードを見ることが出来る他、アマゾンで映像作品を購入することが出来ます。
[キャスト] 草間大作:山口勝平／銀鈴:島本須美／鉄牛:飯塚昭三／戴宗:若本規夫／呉学人:江原正士／中条長官:家弓家正／一清道人:青野 武／村雨健二:幹本雄之／楊志:小宮和枝／花栄:大塚明夫／黄信:納谷六朗／周通:緒方賢一／李忠:笹岡繁蔵／解珍:星野充昭／解宝:関 智一／阮少二:大塚芳忠／阮少五:佐藤浩之(佑暉)／阮少七:千葉一伸／幻夜:小川真司／アルベルト:秋元羊介／樊瑞:石田太郎／セルバンテス:羽佐間道夫／カワラザキ:麦 人／十常寺:大塚周夫／幽鬼:野沢那智／残月:中田浩二／ヒィッツカラルド:原 康義／マスク・ザ・レッド:市川 治／イワン:原 康義／サニー:白石冬美／孔明:中村 正／エマニュエル:関 智一／シズマ博士:原田一夫／フォーグラー博士:千葉耕市／草間博士:矢島正明 [スタッフ] 原作:横山光輝／コンセプト・ストーリー:山木泰人・今川泰宏／脚本:今川泰宏・松山英一／作曲・編曲・指揮:天野正道／演奏:ワルシャワ・フィルハーモニック・オーケストラ／イメージ・コンセプト・デザイン:小林 誠／キャラクター・デザイン:窪岡俊之・山下明彦・小曽根正美／メカ設定:渡部 隆・片山一良・さとうけいいち・鉄羅紀明／絵コンテ:山下明彦・片山一良・今川泰宏・樋口真嗣・窪岡俊之／アニメーション・ディレクター:片山一良・牧野滋人・高瀬節夫・浦田保則／作画監督:窪岡俊之・山下明彦・羽山賢二・水田麻里・さとうけいいち／美術監督:小倉宏昌・菊地正典・竹田悠介・加藤 浩・荒井 賢・太田 大／音響監督:本田保則・鶴岡陽太・伊達憲星／スペシャルゲスト・キーアニメーター:庵野秀明・増尾昭一・前田真宏・佐野浩敏／アニメーション制作:フェニックス・エンタテインメント／製作:ショウゲート、バンダイビジュアル／監督:今川泰宏 [製作年] 1992年 （ｃ）光プロ／ショウゲート／フェニックス・エンタテインメント
