今日は、『青い花』をご紹介いたします。
この作品は志村貴子による漫画作品が原作で、『マンガ・エロティクス・エフ』(太田出版)に2004年11月から2013年7月にかけて連載されたものをアニメ化したものです。テレビでは、2009年7月から9月に放送されたものです。
万城目ふみは、長身でおとなしい性格の女の子。高校入学を機に、鎌倉にも戻ってきて幼馴染の奥平あきらと再会する。
万城目ふみは、高校の先輩である杉本恭己(やすこ)と付き合い始めるもその別れてしまいます。結局は幼馴染の奥平あきらとの関係に気が付き、紆余曲折しながらも話は進んでいきます。
二人の思いは結ばれるように見えて、結ばれないようなもどかしい状態でもあり、最後までどうなるのか焼きもきして見ていた気がします。江ノ電沿線など、鎌倉とその周辺が舞台で、別々の女子高に通う2人の女子高校生を描いたピュアな作品だと思います。
男性から見ると、女性同士の恋愛は美しく見えたりするのかもしれませんが、女性から見てこの作品がどう捉えられているかは、気になるところです。
作品では、オープニングやエンディングなどでは、綺麗な花と美しい二人の姿が描かれています。美しいキャラクターデザイン・背景描写は、見る者を作品の世界に巧に、いつのまにか取り込んでいくのです。この作品は、似た傾向のアニメの「ささめきこと」が、もっと積極的に、明るく女性同士の恋愛感情を描いているのに対して、対極的ともいえるくらい内面からのアプローチが丁寧におこなわれているように思えます。
還暦が迫り、人間の恋愛感情というのは、結局は性別にかかわらず「持続的に相手を大切にする思い」が一番大切なような気がしています。変な悟りかもしれませんが、人の心は、複雑に見えて単純で、単純に見えて複雑なのかもしれません。どんなに科学が進んでも、人に分かる人間の気持ちの摂理は、ごく一部なのかもしれません。
でも、それでもなお、生き物の体の表面上の魅力は衰えるかもしれませんが、お互いに「持続的に相手を大切にする思い」が続く限り、このような美しいドラマは生まれるのではないかと思っています。
この作品は、現在Dアニメでは配信さえていません。たまたま、以前録画していたDVDが出てきたので、この感想を書いていますが、見ようとするとレンタルビデオくらいしか思いつきません。ひょっとしたらアマゾンプライムなどで見ることが出来るかも知れませんが、少し探した限り見当たりませんでした。映像作品はブルーレイも発売されていたようですが、アマゾンではDVDのみが販売されていました。
スタッフ(ウィキペディアより)
監督 - カサヰケンイチ
シリーズ構成 - 高山文彦
キャラクターデザイン・総作画監督 音地正行
プロップデザイン - 冷水由紀絵
美術監督 - 小林七郎
色彩設計 - 石田美由紀
撮影監督 - 大河内喜夫
編集 - 後藤正浩
音響監督 - 明田川仁
音楽 - 羽毛田丈史
音楽プロデューサー - 伊藤善之
音楽制作 - ランティス、フジパシフィック音楽出版
プロデューサー - 浅香敏明、松倉友二、山本幸治、斎藤彩
アニメーション制作 - J.C.STAFF
制作 - 青い花製作委員会(メディアファクトリー、フジテレビジョン、読売広告社、J.C.STAFF、博報堂DYメディアパートナーズ)
エージェントリリース
フジクリエイティブコーポレーション(日本を除く全世界)
ライトスタッフ(英語版)(北アメリカ)
群英社(台湾)
主題歌
オープニングテーマ「青い花」/最終話挿入歌「悲しみ知らん顔」
歌 - 空気公団 / 作詞・作曲 - 山崎ゆかり / 編曲 - 窪田渡(空気公団名義)
エンディングテーマ「センティフォリア」
歌・作詞 - Ceui / 作曲 - 小高光太郎、Ceui / 編曲 - 小高光太郎